付いてきた

大学生の仮にA君としておきます。
A君は独り暮らしをしてる大学に通うごく普通の男性。
このA君は、家賃程度の仕送りしか無いので、大学に通いながら夜の居酒屋のアルバイトをしていた。

いつもの通り、居酒屋のバイトが12時過ぎに終わり独り暮らしの自宅へと歩いていた。
このA君のバイト先は駅の近くの居酒屋で自宅はそこから15分程度の近いとは言えない距離にある場所だった。

いつもの帰り道だが、その日はたまたま気分を変えようと違う道で変えることにした。
その日は霧雨で、傘を差さなくても良いような天気だった。
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いつも通ってる道と違いちょっと暗い道。
昼間は閑静な住宅街で途中にはコンビニもある道。
家までの距離が半分ぐらいのところまできて、大きな道路の信号を渡り、より街灯も少なくなりさらに暗くなっていく。
とは言いつつも、遠くには人影があり、まったく人がいない寂しい道ではない帰路。

この信号を超えたあたりから、後ろにも誰か歩いてるような気配を感じた。
「あ~この人も夜遅くまで仕事してたのだろうか。それとも飲んでいたのだろうか?」
なんて、考えながら自宅への帰路を急いでいた。

ふと、後ろの人は女性なのかなと思いつつ、気が付くと足音が無いことに気が付いた
「あれ?」
後ろを振り返ると居ない

遠くに自転車に乗っている人影が見えるが、そんな人の気配など感じるわけでもなく気のせいなのかと思った。

さっきまで居酒屋で騒がしいところに居たから感覚が少しおかしくなったのかなぐらいの考えだった。

それから歩いてさらに自宅へ近づいてきてもやはり後ろに誰かいるような感覚があり、こちらを見ている感覚もあったが、気のせいだという事にして帰路に着いた。

自宅に到着し、TVの前に座ってどさっと座り一息。
独り暮らしの部屋は、玄関を入り、4畳ほどのキッチンがある1Kで6畳のどこにでもある一般的な間取りのアパート。
「あ~今日も疲れたけど明日の学校も早いんだよな。はぁ~」
「少し休んだらシャワーを浴びないと・・・」
なんて事を考えていた。
まだ、シャワーを浴びる前にもう少し休憩をと、とりあえずTVを付けニュースをなんとなく見ていた。

すると、玄関の入ったところのキッチンでカチャ!と音がした。
水切りしている食器が少しずれたのか。と思ったらパチッ!」「カチャカチャ
「え?」

今までとは違う異様な雰囲気を察し、疲れた体の腰を上げキッチンのほうへ見に行ってみた。

特に変わった様子い。
家のきしみ?小さな地震でも起きたのか?
と思い居間の部屋に戻ろうとし、振り返ろうとした瞬間に耳元で人の生きずかいが聞こえた

!!!

なんだ?この部屋には自分一人しか居ないはずだし、帰った時には誰も居ないのに!
確かに聞こえた人の息遣い。
そんなはずはないと思い恐る恐る振り返ると、見たこともない女性が目の前に居た

女性はモノクロのような色が薄い感じでこちらを見ている。

「あ゛~!」

余りの恐怖に言葉すらも出ない叫び。
混乱しながらも畏怖の念にかられ慌てて家を飛び出し、霧雨の中近くのコンビニまで走った。
「一体なんなんだ。なんでだ?なんなんだ。なんだ。一体・・・・」
頭の中で何回も何回もそんな事ばかり考えるが理解が出来ない。

やっとの思いで、コンビニに着き深呼吸。
とりあえず、缶コーヒーを買い、ゆっくりと飲み干し落ち着こうとする。
幸い、家に帰ったばかりだったので、ポケットには財布と携帯電話があった。

缶コーヒーが飲み終わるころには少し冷静さを取り戻した。
あの、帰り道。
信号のあたりから気になっていたのは、女性の霊が憑いてきていたのかと、気づく。

今となっては、怖くて家に帰えることも出来ない。
かといってこのままコンビニにずっと居るわけにもいかず、近くの友達に電話をした。

「もしもし・・・ごめん悪いけどこれから泊まりに行っても良いかな?」
「え?どしたの?」
「いや、頼むよ。マジで」
「家に帰ったら女の人がいて・・・」
「え?」
「いや、霊が憑いてきちゃって、家に居て帰れないんだよ・・・」
「それ、本当なの?」

友達は高校から仲のいい親友で、事情をいろいろと今までの経緯、見たものを必死で説明し、友達もただならぬ状況を分かってもらい泊めてもらう事になった。

友達の家に着き電話で話したことに加えさらに、感じたこと、見たものをより詳しく語った。
その話は朝方まで続き恐怖と興奮で朝方まで眠ることができなかった。

それから、友達の家に泊まり平穏な三日が立ち、だいぶ落ち着いた頃。
このまま友達の家に居る事も悪いし、着替えや、学校の課題もある。
あの家には帰らなきゃいけない。
いくら友達とはいえ迷惑も考えなきゃいけない。
そこで、学校帰りに友達に付き添ってもらい帰る事にした。

その日は学校も終わり18時頃。
家の玄関に立ちあの時の恐怖がよみがえる。
意を決してドアを開けてみる。
すると、部屋はその時のまま、照明は付けっぱなし、TVも付けっぱなし。
そして、誰も居ない部屋。

ホッと肩を撫でおろした。
かと言ってあの恐怖は忘れられない。
友達に2~3日泊まってくれないかと頼んでみたら、あっさりと了承してくれた。
自分の体験した恐怖が友達に分かってもらえたのだろう。
ただ、友達は心霊など信じない、自分は霊感なんてないから関係ないでしょ。
なんていう感じの楽観的な考えがある一方、友達は大事にする良いやつ。
そして、頼りになる友達でもあった。

それから、何事も無く、1日目が過ぎ、2日目が過ぎ、3日目が過ぎた。
その間、生活していると聞こえる本当の、きしみのパチっていう小さな音まで敏感になっていたが、3日目になると気にならなくなっていた。

特に何もない毎日。
3日目に友達も帰り、少しばかりの不安が有ったがまた普段通りの生活が始まった。

幸いにも3日も鍵をかけずに家空けていたのにかかわらず、泥棒が入ることもなく何も盗まれなかった事が良かった。

それから、3か月過ぎようとしていた頃に近くでひったくりがあり、バイト先の人達が話していた。
「ひったくりで怪我も無くてまだ良かったよね。」
「そうだね。でも、何年前に大きな通りの信号のところで大学生の女性が強盗に後ろから刺されて死んだ事件てあったよね」
という話をしていて分かった。

気になりだした、あの信号だ!!

もちろん、もうあの事があってから一回も通っては居ないという。

ふとしたきっかけから霊が憑いてきてしまうこともあるのかもしれませんね。


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