何かが居るアパート 怪談・怖い話

この話は知り合いから聞いた話しなのだが、実家の近くの子供の頃からあるアパートがあった。

まだ自分が小さい頃に住んでいた家族がいて、友達も住んでいた。
でもいつの日かその友達は引っ越していった覚えが有る。

その頃は、友達が居なくなったので少し寂しい思いをした。
そして大人になって、聞いた話なのだがその友達が住んでいたアパート部屋では幽霊が出るというのを聞いたのだった。

アパートは2階建ての12部屋ほどある昭和に出来たアパートだ。
その幽霊が出る部屋と言うのが、二階の左端の部屋。

話しによると、引っ越してきて間もない頃から、夜になると家具が「カタカタ・・・カタカタ・・・」と揺れ始めたのだという。

最初は、小さな地震なのかと思い、何も気にしていなかったようだが。
それが毎日のように起きていたという。
もちろん、そこの近くには電車などは通ってはおらず、車が行き来の多い国道までは50mほど離れた場所。
アパートのまえにも道は有るが夜になるとほとんど車は通らない場所だった。

夜になると、家具が「カタカタ・・・カタカタ・・・・カタカタ・・・」
と小さく揺れる。
隣の住民や、下の住民がなにかしていて、その振動が家具を揺らしているのではという考えもあるが、音や会話なども聞こえなく寝ている様子だった。
家具の揺れはそんなに大きくないが、シーンと寝静まった部屋には気になる音にはなっていたそうだ。

そして、さらに電気を消して眠りに着こうとすると、目の前に黒い影がスーっと横切るのだという。

田舎の方だから、時々コウモリが侵入してくるというのは有るのだが、電気を着けてみても何もいないとい。

そういった事が良く起きていたと。

現象としてはそれだけで、何か危害を加えてくるわけでも無かった。

しかし、きみが悪い・・・。

そういった事で1年足らずで引っ越していったといのを聞いた。

それ以降その部屋には入居者が居るがすぐに引っ越していくという。

しかし、このアパートで誰かが自殺したり、不幸な死を迎えた人が居るというのは聞いたことが無い。この土地でもそういった話もない。
ただ、住宅なのだから寿命や病気などで誰かが死ぬということは一般的ではある。
そんな死んだ人が家に帰ってきてるのだろうか。
家具を揺らす霊目の前を横切る黒い影の霊の原因の手掛かりすらも分からなかった。

そして、年月は流れそのアパートも老朽化や交通の不便から入居者は居なくなり近いうちに取り壊されるのが決まった。

2018年12月16日に行った時には取り壊しが始まっており、来年そうそうには無くなってしまうのでとりあえず記録として写真を何枚か撮っておいた。

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