始めて務めたアニメーション会社での出来事なのだが。
当時のアニメーション会社では徹夜での仕事というのが当たり前のように行われていた時代。
そして、やはり給料が良くなく進んで徹夜仕事をしていた。
会社は4階建てのビルで3階だったと思う。
大分昔の事なのでうろ覚えのところはある。
徹夜仕事も3回目ぐらいだったろうか、いつもは他の人も徹夜仕事をしていたのだが今回は自分一人で徹夜仕事をすることになった。
0:00を回った頃だろうか、何か物音が聞こえてくる。
自分以外、誰も居ないから気のせいだろうと思っていた。
仕事をしながら、USENから流れる音楽を聞きながらテンションを上げていた。
そして、暫くするとまた何か物音が聞こえて来た。
耳を澄まして、何の音か確認してみる。
キー・・・・
ガリガリガリガリ・・・
椅子が動くときに出る音と、えんぴつ削りの音。
確かに誰も居ないはずなのに・・・・・。
聞こえてくるのは、自分が座って仕事しているところから一番離れた奥まった場所の部屋で、昼間はアニメーターさんが動画を描いている場所。
アニメーターさんの仕事は忙しく、頻繁に徹夜仕事をしていて、今日は居ないはずだった。
もちろん、夜になってにアニメーターさんが帰っていくのを確認したし、人が居ない事は確認済み。
恐る恐るその部屋へと行ってみた。
すると、やはり誰も居ない。
気のせい?
おかしいな~なんて思いながら自分のデスクへ戻り仕事の続きを始める。
この調子なら4時ごろには大体終わりそうだ。
暫く仕事を続けて深夜1時。
また
キー・・・・
ガリガリガリガリ・・・・
パタパタパタパタ・・・・
今度は子供?が走っているような音まで聞こえて来た。
おかしいな~
と思いつつ、もう一度確認しに行ってみたもののやはり誰も居ない。
そんな事が続き、いい加減仕事に集中できないイライラが出てくるようになった。
怖いイメージは無い。
音が聞こえてくる以外何かしてくる様子も無い。
おそらく子供の霊が遊んでいるのだろうと思った。
うるさい!!!
と叫ぶと暫くシーんと静かになる。
そして、30分もするとまたキー・・・・・ガリガリガリ・・・・・パタパタ・・・・。
このままだと仕事に集中できないので、音楽プレイヤー(当時はCDウォークマンだったかな)でイヤホンで聞きながらその音を遮断した。
そして、4時ごろ大体仕事の目途が付き応接間のソファーで眠って朝を迎えた。
10時になり他の社員さんたちが出勤してきて、その話をしてみたら。
居るよ。との事
ただ、「悪さしない子供の霊だから気にしないで良いよ」と言われた。
それから、徹夜仕事をする時は音楽を聴きながらか、子供の遊ぶ音を楽しんで仕事するようになった。
でも、たまに聞きますよね。
会社に霊が居るよという話は。