雨の日の電話ボックス 怪談・怖い話

電話ボックス

今となっては電話ボックスを利用する人は少なくなり、撤去され大分数がへってきたが、国道に設置されている電話ボックスでの出来事。

まだ梅雨も明けない6月下旬の事。
深夜23時過ぎ、会社帰りの23歳の女性が、雨の中自宅へと歩いていた。

彼女は、会社に入社して3か月がたとうとしていた。
入社が決まり、都心の方へ引っ越し独り暮らしをしていた。

会社にも慣れてきて、残業もするようになり、最近では0:00時前に家に帰る日々が続いていた。

雨の中、家の帰路の途中の国道の歩道橋のところに電話ボックスが設置してあり、そこを過ぎたあたりの事。

「おい・・・」

と誰かが呼んだ気がして、振り返ると電話電話ボックスが有るだけで誰も居ない。
電話ボックスの横には花が供えられてあった。
傘にあたる雨音と、車が雨の中を走る音の中、呼ばれたように聞こえたのだろうか?
仕事で疲れているせいか、気のせいだとそのまま帰路を急いだ。

家に着くと、部屋の中に乾された洗濯物。
少しかび臭いような、梅雨独特の部屋の臭い。
鞄を帆織投げ、ベッドに倒れこむ。
さっきのは気のせいだったのだろうか?
ふと、頭に過る。
そんな事を思いながら、明日も早いのお風呂に入り、就寝した。

次の日
この日も残業が続き、また夜遅くに帰るのを余儀なくされた。
そして、また雨・・・。
昨日の事も忘れ、自宅への帰路を急いでいた。

すると、また電話ボックスを過ぎたあたりで。

「おい!」

と昨日よりはっきりと聞こえた。
そして昨日の事を思い出す。

振り返ると、また誰も居ない。
気のせい?
おかしいな~・・・・。

少し不気味だったので小走りで家に帰った。

そして、次の日の帰りの事。
また、今日も雨。
これで雨が5日連続で降っている。

まさか、また聞こえないだろうか?
と少し考えながら、電話ボックスに近づいてきた。

周りには誰も居ない。
人と言えば、自分の先30mぐらいだろうか、男性が歩いているだけ。
気にしても仕方ないし、もう疲れたから早くお風呂に浸かって寝たい。

少し警戒はしていたが、疲れていたので早く帰りたい気持ちが大きくそのまま歩いて行った。

すると、また電話ボックスを過ぎたあたりの昨日も聞こえた場所に来た時。

「おい!!」

昨日よりも強くまるで耳元で言われているかのようにはっきりと聞こえた。
ゾクゾクと緊張が走り、振り返ってみた。

そこには、電話ボックスが有るだけで誰も居ない。
すると、電話ボックスが低く鈍い音「ドン」という音がした。

と、次の瞬間。

パタパタパタ・・・・パタパタパタ・・・・

と電話ボックスの内側から白い手が現れては消え、ガラスに無数の手跡を残していく

余りの恐怖に声も出ず、慌てて家に帰った。

その後、その道を通らず少し通まりして帰るようになったという。
それ以降、奇妙な事は起こらなくなった。
男性の声、そして無数の手跡は何だったのだろうか。
もしかしたら、交通事故で亡くなった男性なのだろうか、その原因は割らない。

 

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