大学生に通いながら独り暮らしをしていた男性の話しなんだが。
大学も2年になり最近になってやっと彼女が出来た
彼女は同じ大学の、サークル仲間の一人で活発でちょっとおっちょこちょいが可愛い女の子だった。
ある日の事、彼女が独り暮らししているアパートに遊びに来ることになった。
夜になると、お酒を飲み、あ~でもない、こうでもないと話していた。
夜も0:00じを過ぎようとしていたころにお酒のせいもあって眠くなってきた。
うつらうつらしてきたので、二人でベッドで眠りにつくことにした。
寝ていると、ふと意識が目覚め、どこからか救急車の音が聞こえて来た。
ピーポーピーポー、ピーポーピーポー・・・
その音はだんだん近づいてくる。
どこかで事故でもあったのかな~。
そんな事を思いつつ、眠ろうとする。
ピーポーピーポー、ピーポーピーポー。
アパートの前だろうか、止まってはっと目が覚めた。
時計を見ると3:18
「ね~起きて。救急車が止まったよ。」
彼をゆすぶり起こす。
「救急車?そんな音なんかしてないじゃないか」
「え?だって」
気になった彼女は、玄関のドアスコープをのぞき込んでみる。
救急車らしき赤い回転灯などは見えない。
ガチャ、っと鍵を開けて玄関のドアをあけてみる。
しかし、目の前には救急車も無く、静まり返っていた。
おかしいな~。
「何もなかった」
「ほらな。そんな音なんかしてないじゃんか。寝ぼけてるんじゃないの」
「そうかな。ま~良いや寝よう」
ちょっと不思議に思ったが、寝ぼけていたんだろうと思い眠りについた。
そして、1週間後。
また彼女が泊まりに来ることになった。
また先週と同じようにお酒を飲み、バイトの話しや、サークルの話などで盛り上がっていた。
そして、また同じように0:00頃に眠くなってきたので眠りについた。
すると、また同じように深夜に意識だけが目覚め、また救急車の音が聞こえて来た。
ピーポーピーポー、ピーポーピーポー・・・
また、どんどん近づいてくる。
ピーポーピーポー、ピーポーピーポー。
ハッとまた目が覚め、時計を見ると3:18
うそ!
また同じ。
夢?
「ね~起きてよ。救急車が止まったよ」
また彼氏をゆすって起こす。
「え~なに~。救急車の音なんか聞こえてないよ」
目をこすりながら起きたが、大分眠そうだ。
まさかとは思いつつ、ドアスコープをのぞいてみた。
何もない。
また、ドアを開けて周りを見渡してみる。
救急車は無く、シーンと静まり返っていた。
「なんか怖い・・・・」
「寝ぼけてるんじゃないの?」
「だって先週も同じ時間に同じ事が有ったんだよ」
彼は、また寝ぼけたのだろうと思っていたが、さすがに2回連続はおかしいかもしれないと思った。
その後、彼が不動産屋に問い合わせて分かった事なのだが、以前に女性が自殺したことが有ったそうだ。
そして、女性の人が借りると救急車の音が聞こえたり不可思議な現象が起きると、クレームが来る為、女性には部屋を貸さないようにしているのだという。
もちろん彼は、そんな体験はした事は無かった。
自殺した女性が何かを訴え、女性にだけ助けを求めて居るのかもしれない。