知り合いから聞いた話なのだが、知り合いの友人の男性が大学時代に体験した少し怖い話。
大学生の男性、が大学に受かり独り暮らしをすることになった。
彼の借りたアパートは2階建ての築30年ぐらい経っている建物で1階の角部屋に入居した。
初めての独り暮らしで、大学生活を満喫していた。
独り暮らしを始め1年ぐらい経った頃だった。
上の階から時々変な音が聞こえてくることに気が付いた。
コロン、ツー・・・・・
何か固い丸い物?が床に落ちて転がる音。
ガリガリガリ・・・・。
壁を爪でひっかくような音。
ササー、ササー
何かを引きずるような音。
うるさい、ってわけでも無くただ聞こえてくる。
しかし、この音は深夜に多い。
上でも生活している人が居るのだからある程度の生活音は仕方ないだろうし、トラブルになるのも嫌だったので余り気にも留めていなかった。
なんだかんだで、2年が過ぎアパートの更新の時期になったが、彼は順調に進学することが決まったので少し離れたキャンパスに通う事になった。
それをきっかけに引っ越すと決めていたのだった。
新しいアパートも決まり、無事に引っ越しも終わり、最後に借りていたアパートの鍵を返しに行った時の事だった。
鍵を返す時に不動産屋の人に上の住民の音が気になったので言ってみた。
「1年ぐらい前から上の人が少し物音が気になったので、もしかしたら次の人が入居した時に言われるかもしれないですね。」
そう言うと、不動産屋のひとは目を丸くして驚いた表情でこちらを見つめていた。
え?何かまずい事でも言った?
不動産屋の口から耳を疑うことを言われた。
「上の階はここ1年誰も住んでいないんですよ・・・・」
「え!?」
「下の階でもそんな事が・・・・」
何かを知っているような口ぶりに、どういうことか聞いてみた。
不動産屋さんによると5年前に自分が住んでいた部屋の上の階で、女性が大量に睡眠薬を飲んで自殺したという事件があったそうだ。
いわゆる2階の部屋は事故物件だった。
それ以降、なかなか借り手が見つからず、2年前にやっと借り手が見つかったという。
しかし、上の住民はしばらくすると、金縛りに遭ったり、人の気配がしたり、うなされて目が覚めたり、部屋のラップ音などに毎晩のように悩まされるなどの苦情が相次ぎ、ついには耐え切れず1年でその部屋を出て行ったという。
それ以降、空き部屋になり誰も住んでいないという話だった。
もちろん、鍵が施錠されており、中に入る事は出来ず、時々部屋を探している人に中を見せたりしているが誰かが住んでいる事は無いという。
上の階での物音は女性が死ぬ前に出していた音なのだろうか。
今まで何も知らないで住んでいた居たが、上の部屋に女性の霊が居たと思うとゾッとして血の気が引いたという。
そして、彼は引っ越しをして新しいアパートでは快適に過ごし無事に大学を卒業して就職をしたという。
今でのあのアパートは怪奇現象が起きているのだろうか。
あなたが住んでいる部屋の上や隣から聞こえてくる音は、もしかしたら・・・・。