飲み屋であ働いていた時の話です。
当時、20名ほどが入る東京都下の小さなお店で働いていた。
お店は飲み屋とお弁当屋を経営してて、お弁当屋が終わるとそのバイトたちが飲み屋に飲みに来てわいわいやっていた。
その日は夏で、お店が暇で飲んでいるのは身内のバイト数名、これじゃあ売り上げにもならないので早めに閉店することにした。
閉店し、自分もお酒を飲みながら、バイトの野村が車を買ったって話しになり、野村を呼んでどこかドライブに行こうかという話になった。
自分の提案で。夏だし多磨霊園まで肝試しもかねて行こうじゃないか、って事になった。
よせばいいのに・・・・。
野村が運転する車に自分と他3人で、計5人で多磨霊園に向かった。
車内では
「マジで幽霊出たらどうする?」
「ぶん殴る!!」
「はははは!」
「居るわけないじゃん」
なんて遊び感覚。
40分ぐらいで多磨霊園に着き、車を降りて蒸し暑い丑三つ時(午前2時過ぎ)に5人でワイワイしながら墓地に向かった。
多磨霊園に入り、みんな霊園の雰囲気というか空気が違うことに気づき口数は減っていく。
自分もこれはマジでヤバいと感じるようになり、酒を飲んでいたにも関わらず、生唾を飲み込みしらふになる。
これは、本当にヤヴァイ・・・。
そんな事を思いながらもノリで来てしまった以上他のバイト仲間も、怖くない!と言う見栄をはり冗談を言いながら中心部へと歩いていく。
多磨霊園の最初の丁字路に差し掛かる。
そのころになると怖さで全く誰も話さなくなったバイト仲間と自分。
「・・・・。」
そろそろ、引き返して帰ったほうが良いんじゃないかと思いつつ、周りを見渡した。
「あっ!?」
こんなところに居るはずもない三人の人影。
それも暗い木の横で、明かりが全くないところで懐中電灯も持たずに。
二人は成人男性、中年?
一人は小学生ぐらいの男の子
三人は、しゃがみ込み、うつろな目でうなだれていた。
はっきり分かった、死んだ人が未練を残してる霊だと・・・。
本当にこんなところに来ようと言った自分を後悔した。
「出た!!」
と、言ったっ瞬間うなだれてた3人の霊がこっちに振り向く。
「!!!」
慌ててその場を走り去る。
と、同時にほかのバイト仲間も「うわ~~~!」と叫びながら走り去る。
頭の中には圧倒的な恐怖しかない。
必死で走る。
すると物凄い力でグッと左足首をつかまれる。
「う!」
そのまま顔面から転倒。
痛みと恐怖に耐えながら、何とか車までたどり着く。
そして、少し落ち着いてくると顔面の痛みがひどくなっていく。
顔を擦り剥き、前歯が少し欠けていた。
みんなも落ち着き、近くのコンビニで休憩。
その後家に帰った。
冗談半分や遊びでで墓地や霊園なんて行くもんじゃない。
そう思った体験でした。